No.7  潜在意識開発 (2) 

私は今、自分の過去を振り返って考えてみると、自分の求める道を歩いては来たが、どうして
もその途中で、「何かに方向を変えられているとしか思えない」ことがある。

方向を変えられるといっても、それはいつもいい方向であり、自分の思ってもいない世界に引
き寄せられているのである。

私は、その時々に体験した不思議なこととは別に、無意識的な方向付けというか、自分ではど
うする事も出来ない「内から来る衝動」に誘導されて来たのである。

その始まりは、小学3年の頃に急に考えるようになった人間の生命と死である。

それは、「無限と一瞬」についての完全な理解を含むもので、そのときの私はこのことを思い
出す事が大変な恐怖に変わってしまったのである。

今よく考えてみると、私が体験してきた数多くの不思議なことは、結局、「無限と一瞬」を理
解するための道しるべではなかったのかと思っている。

私の「無意識の不思議」は、ある意味メッセージを含んだ示唆であり、そしてそれに向かわざ
るを得ない内なる誘導の事である。

最初の「無意識の誘導」は、小学3年のときであり、第2の「無意識の誘導」は21才頃である。

私の不思議な体験が急激に増えたのは、「無意識の何かがすべて知っている」ということが、
きっかけになっているとしか思えないのである。

そのことを結果から推測してみると、どうなるであろうか。

「私が、『天籟を聞く』というところを読めば、独特な解釈をする。
そのためには、『荘子』に強く興味か、心に強い衝動を起こさせなければならない」というこ
とになる。

これは既に知られていることなのか、それとも何であろうか。
私は、「荘子」の内容は全く知らない。
全く内容の知らない本に興味を抱く人間はいないだろう。

結局私は、本の帯に書かれている言葉に反応したのだが、このような本には全く縁のない人間
が、どうして強く反応したのだろうか。

それは、小学3年の頃に考えた生命のことが、無意識に呼び起こされたものではないかと考え
ている。

もしそうだとしたら、無意識は正確に次のことまで知っているということになる。

第3の「無意識の誘導」は、私が30才の頃である。

私は、この頃に初めて精神世界の本を知って、それからこの勉強とヒーリングの訓練を始めて
いったのである。

実は、この半年位前に、私は霊界と思われるところにいる夢を見た。

その中の意識的感じは、今でも良く覚えているが一言でいえば、すべてが完全に満たされてい
るという最高な感じであった。

その中で見たことや感じたこと以上に私の感情を高揚させたのは、そこで聞いた「私に対する
声」である。

その時の映像は長くなるので省略するが、その天からの声は、はっきりと「道は開かれた」と、
私の意識に響いていた。

それから数ヵ月後、私はある雑誌を見ていると、そこに書かれてあった「宇宙と交信できる」
という言葉にまたまた強く反応した。

これは、チャネリングという事ではなく、この時は宇宙神(霊)と解釈した。

そして私は、なんとなくこの事を書いてある本があるのではないかと思い、書店に行って初め
てこのような世界があることを知ったのである。

このようにして今度は、不思議な体験と併行して、無意識の世界に誘導されて行くのであった。


私は将来ヒーリングの仕事をしようと決め、ヒーリングパワーにも私の霊性を入れるようにし
てその能力を高めていた。

そしてその時は、せめて今の倍の早さで治せるようにと、いろいろな集中方法で訓練していた。

そんな時第4の「無意識の誘導」が来た。私が36才位のことである。

それは、私が精神世界の勉強を始めてから、6、7年位経った頃だった。

私は、また霊界の中と思われるところにいる夢を見たが、この時は前回と違って非常に神秘性
の強い感じを受けていた。

その世界は、調和的な感じであったが全暗黒で、しかも私は宙にいた。

全暗黒の中であったが、すべては自己の内で感じられたのである。

遠くから、姿の見えぬ一人の人物が私に近づいて来て、直接私に向けて一言はっきりとした力
強い口調で言ったのである。

それは、私の「死」に関することであるが、その内容は複雑で誤解が生まれやすいので、今は
述べることはできない。

それは自分が死にさらされているというショッキングな内容であった。


そして、次に「不思議な病気の治り方」が現われ始めたのである。

私はこの体験で、さらに深く、「無意識の世界」に誘導されて行くのである。

というのも、それが回数を重ねて体験して行くものだから、とうとう私は「そのような病気の
治り方」を目指す様になってしまったのである。

それはどのような事か簡単にいうと、テレビなどで見たことがあると思うが、ちょっとしたこ
とで病気が治ったり、急速に回復して行ったりする奇跡的なことに似ている。

私の場合もこのような状況に似ていて、結局私は、何のパワーも分からない、何のヒントもな
いものを10年も求めたのである。

やるべきことはすべてやった。瞑想・イメージ・無意識的集中などそれを実現させるための事
を、私はほとんどやったのである。

結果は、すべて失敗に終わったが、それでも一度もあきらめる気持ちは起こらなかった。

何故かと言うと、無意識的何かが不思議な治り方を実現させて見せるのは、私にこの方法を追
求しろと暗に言われていると思っていたからだ。

私は、とうとうやる事が何も思い浮かばなくなり、次はどう進んだらいいのかと半ば気落ちし
た状態でぼんやりと考えていた。

その時、あるインスピレーション(気付き)がやって来たのである。

そしてそれが私にとって、第5の無意識の誘導で、無意識の世界への目覚めとなったのである。
48才位だった。

それから2年間位は、次から次へと意識的なことがやって来た。

その瞬間まで、私にはもうやる事が何も無いと思っていたのだが、ここまでやる事があるのか
と思えるほどの意識的な内容だった。

今私は、人間と無意識の関係に、あらためて神秘と不思議を感じている。

子供の頃に感じた「無限と一瞬の統一」という理解が、私の意識の中で実現したからである。

主要なところだけをつないで説明してきたが、未知なる無意識の世界は、私がこの世で一番望
むものを実現させてくれたのである。

このようなことから考えても、「無意識の智慧」は、人間各自のすべてを知り、どうすればよ
いかのすべての答えを知っているという結論に達するのである。

このことは私だけに関する特殊な事ではなく、人間の潜在意識的構造が基本的に同じである以
上、すべての人に顕現させることが出来るものと、私は信じている。