No.28 原因と結果 

すべての結果には、必ず原因がある。
ある結果から原因を追究していけば、原因結果の流れに入ることができる。

我々の望みは、自分の描いた思いに一日でも早く近づくことにある。
しかし、自分を磨かずそして鍛えないで自分を変えようと望む人は、いろいろな安易な誘いに判
断が狂わされる。

自分の価値観や意識を変えることは、なかなか簡単に出来るものではない。
意識を変えるためには、それなりの根拠や確信できるものが必要だ。

他人の言葉で自分を見つめ変えるにしても、良くも悪くも自分の潜在意識が反応する。
間違いを受け入れることも真実を受け入れることも、また拒否することも、自分の中でそれをど
う取り込むかは、自己の思いにすべて任せているのがほとんどだ。

どのような内容であっても、自分が受け入れるということは、その結果がどのようなことであっ
てもいいと認めることでもある。

確かにすぐに識別判断できないことや他人などの影響はあるが、それでも自分の心に入れるかど
うかは、自分の決断による自己責任になる。

暴力的なことや強制的なことを抜かして最終的に受け入れを決めるのは、自分以外あり得ないと
いうことである。

このようなことは、一般的にみれば当たり前のように思われるが、原因という深い部分を考える
と、このことがどのように潜在的自己に影響して来るかは、ほとんどの人は気が付かない。

結局、他人のせい、また何かのせいにしてしまうのである。
自分に起こったいろいろな結果を参考にすれば、自分の反応の仕方から自分の心や潜在意識のあ
り方もある程度わかるはずである。


我々が自己を向上させる目的で原因への道を歩き始めることは、それは同時に心、意識、潜在意
識を理解していくことにもつながる。

心、意識、潜在意識というものをはっきりと区別して見ることができるようになると、今以上に
洞察力が増して自分の人生や、また他のことに関しても、理解が深まるのである。

原因への道を辿るということは、いつでも今の自己の存在がきっかけになる。
その出発点となるのもいろいろあるが、行き着くところ「どうして自分は、このような自分なの
か」である。

今の自分を知るには、前世や過去世の自分を知ると良く分かるのであるが、しかしそれは簡単に
出来ることではない。

催眠などによる前世療法もあるが、それによって本当にその人の過去世が現われる確率はそれを
受ける人数から1パーセントもないと私は考えている。

テレビなんかで自分の過去世ということが一時的にブームになったことがあったが、その影響も
あってほとんどの人は、カルマという言葉だけに囚われて生まれ変わりの本質を見ることはない。

あやふやな前世であるなら、そのようなものを参考にすること自体、逆に自分を迷わせることに
なる。

前世が何であったかなどはそれほど重要なことではなく、そのときの人生の意識全体が分かるこ
とが原因としてもっとも大事なことである。

自分を知るには、前世が分かるとより納得のいく解答が得られやすいのだが、それはあくまで自
分の表面的な現われや思いを知ることである。

自分の本質や真の自己に関しては、過去世からは答は出ない。


我々が自己の向上や霊的発達のために最も必要なものは、論理的思考と推測の力である。
推測の力は、この世のことにおいても潜在意識を発達させるためにも大切である。

推測は、単なる空想や願望に基礎を置いたものではなく、真剣な探究と考えた方がわかりやすい。
潜在意識的な推測方法を知らなければ自分で行なうことは難しいが、それでも自分の前世に気づ
こうとする努力は、大変な自己成長を促す。

結果の中に原因が含まれ、また原因となるものにもある結果が含まれる。
前世や過去世での行ないや考え、または強い固定観念などが、現世にその無意識的引継ぎやカル
マとして現れるなら、当然来世は今の人生が影響する。

これは単なるカルマや報い、または良いこと悪いことだけの結果ではなく、その人の潜在意識全
体に関わる結果ということである。

もし人が、生まれ変わりやカルマというものを信じるならば、またそれを否定する根拠が無いな
らば、一生持ち続けなければならない心や意識にある未消化の部分をより多く消化させることも
できる。

そうなれば、現世に現われているカルマは大幅に軽減させることもでき、それは来世に良い影響
を持ち越せることにもなる。

もちろんこのことは自己の全意識で行なうことで、カルマ用というテクニックはない。
自分の過去世は、今まで生きてきた自分の質から、いろいろな推測と論理的展開によってかなり
のところまで迫ることが可能である。

それをヒントに、将来に向けて、自分の運命を良い方向に向けられるように必要な自己変換をし
ていくのである。

生まれ変わってしまえば、体も性格も環境も今とは違い、今の記憶も無くなるから何も関係ない
と思っている人もいる。

しかし、「どうして自分はこうなんだろうか」と思う自分が、今いることも事実である。
結局、無意識としての自分は、いつもどこかに生まれ変わって存在するということである。

我々は、過去世、原因と結果、ポジティブとネガティブなどから絶えずいろいろな影響を受けな
がら自分の未来を創造しているのである。

来世のことはともかく、我々のこれからの人生を良い状態に変換していきたいと思うなら、
その条件を今から満たしていかなければならない。

自分の未来を新しく創造していく行為は、自分の力で運命を開くということである。


自分の未来を創造するのは今である。
それは、1年後であっても、10年後であっても、そのときの今である。

その日その日の今が未来の創造の基盤となって積み重なっていく。
我々が、自分の目標に向かって努力をすることと同じことである。

しかし、すべてが思い通りいくということも難しい。
また、人の創造力を邪魔するものがある。

この邪魔するものが、実現の最大の敵である。
そのすべてをマイナスに働かせるものをネガティブと呼んで、この言葉の意味は誰もが知ってい
る。

しかし、その本質が何であるかは知らない。
この反対の言葉にポジティブという言葉がある。

目先のことだけで明るく振舞おうとするのは、単なるポジティブ思考である。
ポジティブ思考とかプラス思考ということもあるが、ほとんどの人の思考はこの中にマイナス思
考が含まれている。

それはそのことに対する疑いであり、真実から目をそむけることであり、無理していることでも
ある。

それでもネガティブ思考よりはまだましであるが、そのようなマイナス思考を含んでいると、ポ
ジティブ思考もだんだんやらなくなっていくのである。

結局、心にあるネガティブ意識が強ければ、どんないい方法であっても一時的気休めに過ぎない
ということになる。

この解決方法はただ一つ、ネガティブ意識を超えられるか、またはネガティブをできる限り無力
にする方法を理解するしかないのである。

それが、ポジティブ思考から潜在意識に入る真のポジティブ意識と言うことである。
それは誰でも理解できるが、ただそれがどういうものであるか、またそれが何であるかが知らな
いだけである。

心や意識は、ポジティブとネガティブの関係やネガティブ側への偏りに気づくことが大事である。
人間の行為や行動における原因結果の要素は、このポジティブネガティブ意識が何よりも強く大
きく影響しているのである。

このようなことから我々は、自分の将来や来世に対して、自分の理解と行動次第で運命変換が可
能になるということがわかる。

これは、なんの目標もなくただ人生を流されるままに生きていかなければならないと思い込んで
いた人にも大きな気づきとなれば、内側で何かが動き出すかもしれない。

何を思うにしても、何をやるにしても、我々の人生にはこの原因結果とポジティブネガティブの
関係は、意識そのものに同調して同時進行していくものである。

真理を知って実践していくことは、同時に知恵と力がつくことで、それはさらに発展していくの
である。

真剣に自分を高めようとする人にはそれに対する報いを、また何もせず否定する人にもその報い
を、絶対平等意識は純粋にその自分の姿をその人に現すだけである。